整形外科（医師）と整骨院の違い

医師は医師法で定める医師資格を持った人であり，「医療行為」ができます。
これに対し，整骨院は「柔道整復師」であって医療行為はできません。

整形外科で診察を申し込むと，ほぼ必ず痛みのある部位のレントゲン（ＸＰ）を撮影しますが，整骨院ではXP，MRIなどの検査ができませんので，場合によっては腱の断裂などの重大な損傷を発見できないことがあります。
断裂した腱の部位によっては，自然に治癒することは困難な場合もあります。まず当該部位の状況がどうなっているのか，状況を正確に把握したうえで治療方針を決めるべきであることを考えると，適切な検査を行える整形外科の診察は必須のものであるといえるでしょう。

残念ながら，これらの賠償上の不利益は，整骨院の「評判のよさ」などとは無関係です。 たとえ，地元では非常に評判の良い整骨院の先生であったとしても，後遺障害の認定や，賠償という問題になってくると，医師かそうでないかで一線が画されていると考えたほうがよいでしょう。

なお，どうしても整骨院で治療を受けたいというときには，整骨院で治療を受けながら，定期的に整形外科にも通い，整形外科の医師に「整骨院で治療を受けること」について同意した旨の書面を書いてもらうなどの方法があります。

このように，治療が始まったばかりという段階であっても，治療の受け方によって最終的な賠償額が変わってくることがありますので，注意しましょう。