示談とは？交渉の方法とは？

示談とは、「民事上の法的紛争を裁判所の関与をへずに当事者間で解決する旨の和解契約」とされているようです。これだけでは難しくてよくわかりませんが、ポイントは、「裁判所の関与を受けず」「当事者間での約束で解決する」という部分です。

裁判所の関与を受けないので、法律の条文などには出てこない用語です。なので、なんとなくうさんくさい印象を持っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、「当事者間の約束」すべてがうさんくさいはずはありません。結局はその内容が不当なものなのかどうか、一方が他方をうまく丸めこんだりしていないかどうかがポイントになってきます。

もし、すべての交通事故について裁判で解決することとなると、裁判所はもっと多くの件数をこなせるような大規模な組織にならなければ追いつきませんし、当事者も、長い時間と多額の費用をかけて裁判で戦わなければなりませんから、正直対応しきれない方も多くいることになってしまいます。そこで、裁判所の関与を受けずに、交通事故の問題を「示談」で解決することが多く行われているのです。

したがって、交通事故の賠償問題を「示談」で解決すること自体は問題はありません。問題があるのは、『一方が保険会社などの「プロ」であって、専門的知識が豊富な当事者』、『他方が被害者本人などの「素人」であって、妥当な賠償額についての判断ができない場合』に、保険会社がさも妥当な賠償額であるかのように案内して、被害者が低廉な賠償額の示談書にサインしてしまう場合です。
このようなことにならないように、示談の前に専門家の意見を聴くなど、慎重に判断するようにしましょう。